Step.5 不動産売買契約を結ぶ
売買の条件面で購入希望者と合意ができたら、いよいよ契約です!売買契約書は、売主と買主、双方の“権利と義務”を明記した重要な書類ですから、十分に内容を理解してから署名・押印をするようにしましょう。
不動産売買契約書とは?
不動産売買契約書は、後日、「言った、言わない…」などのトラブルを起こさないために、売主と買主、双方の権利と義務を明記した重要な書類なのです。また、万一、契約を解除することになった場合どうするのか?といったことも定められています。したがって、内容をしっかりと理解し、納得してから署名・押印をするようにしましょう。
契約内容が変更に!? そんなときは…
覚書などの書面を交わそう!
売買契約が成立してから、後日、契約内容に変更が生じるような場合、口約束では、「言った、言わない…」のトラブルの元となりますから、必ず「覚書」など、売主・買主の双方が署名・押印した合意書面を作成しておくようにしましょう。
不動産売買契約書のココをチェック!
- ① 瑕疵担保責任(購入後に見つかった物件の欠陥等は、誰が責任を負うのか?)
- 瑕疵担保責任とは、目に見えない住宅の欠陥(隠れた瑕疵)に関して、引渡し後も売主が買主に対して責任と負担を負うという内容のものですが、これには右記のような3つのルール(法律)があります。
なお、新築住宅を供給する事業者には、「品確法※1」の他に「住宅瑕疵担保履行法」により保険への加入または保証金の供託が義務付けられています。これは将来起こりうる瑕疵に対する事業者の責任を確実に履行するための資力の確保を目的としている制度です。この制度によって、万一、事業者が倒産している場合でも、住宅の購入者は瑕疵の補修などにかかる費用を請求することが可能になりました。 - ※1:品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)とは、新築住宅を供給する事業者に、住宅の基本構造部分(住宅の構造耐力上主要な部分、または雨水の侵入を防止する部分として政令で定めるもの)について最低10年間の瑕疵担保責任を義務付けた法律です。
- ※2:民法上のルールは契約当事者の合意によって内容を変更することが可能です。例えば、個人が売主となる中古住宅の売買では、売主の責任期間を、引渡日から一定期間と定めるのが一般的です。
- ② 危険負担(引渡し前に建物が滅失等した場合は?)
- 売買契約を結んでから物件の引渡し前までの間に、購入物件が火災、地震、台風などによって損害を受けたケースで、売主・買主の両者に責任がない場合、その損害に対してどちらが責任を負うかを取り決めておく必要があります。民法では買主が負担する債権者主義を取っていますが、通常の不動産の売買契約では売主負担と定めるのが一般的です。
具体的な契約内容では、損害が軽い場合は、売主が物件を元どおりに修復するか売買代金を減額する、損害が大きい場合は買主は契約の解除ができ、それまでに支払った金銭は全額返還される、などの規定を設けておきます。 - ③ 手付解除(売買契約後に解約する場合は?)
- 手付金とは、売買契約を結ぶ際に、買主から売主へ支払われる金額で、特に契約に定めがない場合「解約手付」とみなされ、契約の解除権を留保するためのお金と解されています。
- 「手付金」……契約を解除する(または買主のローン特約の行使により解除される)場合、買主に返却するお金
- もしも、売主から一方的に契約を解除したい場合…
- 売主は受け取った手付金に同額を上乗せした金額を支払えばよく、それ以外に損害賠償等の責任は負わないことになっています。ただし、相手方が履行に着手した場合や、手付金をもって契約を解除できると定めた期間を経過してしまった場合には、契約違反による解除となり、違約金等が生じるので注意が必要です。
買主がローン解除された! そんなときは…
手付金を買主へ返還します。
買主の利用する住宅ローンが審査で否認されたときや、審査結果を得られないまま指定の契約解除期日が経過したことから契約が解除された場合、売主は買主へ受領済みの手付金を返還しなければなりません。そのため、ローン特約条項がある場合、契約時に受け取った手付金は、あくまでも“預り金”であるといった認識を持っておきましょう。